第1日目:研修会

2025年3月8日(土)

教室|

「アドラー心理学入門」

●学校心理士資格B1ポイント研修会

講師:永藤かおる

有限会社ヒューマン・ギルド取締役研修部長、日本個人心理学会監事、公認心理師

平成元年 三菱電機株式会社入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たっ た際に出会ったアドラー心理学を修得。現在、一般向けアドラー心理学の一大 拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体 、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

 「今まで心理学とは無関係に生きてきたけれど、ネット記事で知ったアドラ ー心理学を学んでみたい」「本だけではイマイチ理解できなかったけれど、入門の講座なら受けてみたい」。


 「大学等のアカデミックな世界ではない、一般向けアドラー心理学の入り口 」であるヒューマン・ギルドでは、考えうる限りの敷居や垣根を取っ払い、誰もが引け目を感じたり臆したりすることなく、アドラー心理学の世界へと踏み出していけるような講座を1985年から開催し、間もなく40年を迎えます。受講者の方も10代から80代まで、職業も居住地も背景も本当にさまざまです。そこで行われている「ベーシック・コース」では、アドラー心理学の基礎について、理論の説明だけにとどまらず、日常生活での実践とリンクさせることがいかに重要かをお伝えしています。


 アドラー心理学のキーワードである「共同体感覚」や「勇気づけ」、「相互尊敬・相互信頼」が自分の日常で発揮され始めたら、今よりもっと豊かな人生や対人関係が築ける。困難を乗り越えていける。そしてそれは、努力や猛勉強が必要なわけではなく、自分の認知や思考をほんの少し変えるだけで可能になる、ということを体感してくださった多くの方が、さらなるアドラー心理学の 学びを深めています。


 今回の「アドラー心理学入門」では、そのエッセンスを4時間でお伝えしま す。事前準備は不要です。ただ楽しみにご参加ください。

教室|

「早期回想から読み解く、父の、母の物語」

講師:佐藤健陽(佐藤たけはるカウンセリングオフィス代表)

アドラー心理学の早期回想は、その人の生き方を象徴するライフスタイルの原型とも言えます。それはクライエントや自分自身の自己理解に有用です。このワークショップでは 、早期回想の解説とデモセッションを前半で行い、後半は人生終盤を迎える方々の心理状況の解説に加え、親の生きた物語についてデモ&解説を行っていきます。実際に私が高齢者の物語を聞き取る際に使う質問項目を抜粋して行います。


※前半と後半で、各1回ずつのデモセッションを行います。当日、デモ希望者を募りま すが、親の早期回想については、親御さんを実際に連れて来られるか、あるいはあらかじめ親の早期回想を聞き取ったもの(1つ以上)をお持ち頂ける方を募集します。デモ希望 者が多数いる場合は抽選とさせて頂きますが、いない時は事例解説を行います。なお、後半の親のLIVEデモは、前半デモと同じ方の親御さんでも別の方の親御さんでもどちらでも構いません。


【ワークショップの流れ】
<前半>
・早期回想とは何か
・早期回想LIVEデモ&解説
<後半>
・人生終盤の生きる意味
・早期回想から読み解く親の物語LIVEデモ&解説

教室|

学校、そこに愛はあるんか?~共同体感覚の輪を広げ、愛を生む教育実践への挑戦~

●学校心理士資格B1ポイント研修会

講師:矢原 孝則(岡山県立岡山御津高等学校 教諭)

山口 麻美(東京都スクールカウンセラー)

「アドラー心理学は本もたくさん出ていて聞いたことがあります。」
「本を読みましたけど、よくわかりませんでした。」
「結局、どうやって教育現場で使うの?」


こんな声をこれまでたくさん聞いてきました。この声に明確かつ適切に返答する自信は 私にはありません。やはり“心理学”という言葉に圧倒され、最後の最後で踏み出すことを躊躇される先生方をよく見てきました。


また、令和4年12月に「生徒指導提要」が改訂され、「させる」生徒指導から「支え る」生徒指導に大きく転換しました。こうした大きな変化に驚きを隠せない先生方や戸惑っている先生方も多くいらっしゃいます。


このワークショップでは「生徒指導提要」を踏まえながら、アドラー心理学の最終目標 である「共同体感覚」をボトムアップ型で育成していく取組みを紹介させていただきます 。また、勤務校で行っている取組みや教員の共同体感覚を高める取組みなどを実際に体験 する時間も設けております。ホッとした気持ちになっていただいて、自分への愛・同僚へ の愛・生徒への愛・家族への愛など多くの愛に気づき、ポカポカしてワークショップを終えたいと思っています。


さらに、教員の教育的視点からだけではなく、スクールカウンセラーからの心理的側面 でもこれからの生徒対応を考える時間も設けています。ご参加くださる方はぜひご自分がされている生徒対応などを事前に振り返っておいていただけると幸いです。

教室|

「困難を乗り越える勇気と勇気づけ」

講師:梶野真(一般社団法人 日本アドラー心理学協会代表・日本個人心理学会・国際担当)

皆様は「勇気」と聞いて何を思いますか?勇気とは、「失敗をするリスクをすすんで引き受けること」とアドラーは言っております。私たちは、人生においてさまざまな困難に遭遇します。その時、不安や心配で身動きが取れなくなることがあるでしょう。または、行動を起こした方がいいと頭では分かっていても、躊躇をしてしまうこともあるでしょう。このワーク ショップでは、アドラー心理学では重要なキーワードである「勇気」と「勇気づけ」について 、アドラーやアドレリアン達の言葉を紹介します。そして、レクチャー、ディスカッション、ワークを通して、困難を乗り越えるため、他者・自身の勇気を育てていきたいと思います。

教室|

「愛のタスク 〜特に、パートナーシップについて深掘りしてみたら〜」

講師:熊野英一 (株式会社子育て支援 代表取締役 / 一般社団法人ビリーバー ズ 代表理事)

 今大会のテーマは「今こそ、「愛のタスク」に向き合う」です。
大会長自らがファシリテーターを務める当ワークショップでは、「愛のタスク」の中でも特に「パートナーシップ」に着目します。
アドラーは「人生の意味の心理学」の中でこう言います。


結婚は2人の課題である。
もしもふたりの間に信頼関係がなければ何も成し遂げられないだろう。


 アドラー心理学では、立場や年齢といった属性に基づく支配と従属の「タテの関係」ではなく、すべての人同士がフラットで民主的な「ヨコの関係」を築くことが、共同体感覚を維持した、建設的な対人関係のベースにある、という立場を採用します。


 夫婦のパートナーシップのあり方は、10組あれば10通り。とは言え、双方が永続的に幸福を感じ続けている夫婦には、互いをリスペクトし合う相互尊敬と、無条件に信じあう相互信頼を維持しようとする覚悟があり、だからこそ長期にわたって様々なライフタスクに協調的に対処でき、その結果として幸せを感じている、という共通点があるで しょう。


 一方では、こうした関係性を維持し、実践することに難しさを感じているカップルが多いのも事実です。共同体感覚を維持した、協調的なパートナーシップを維持することは、なぜ、そんなに難しいのでしょうか?


 このワークショップでは、参加者がそれぞれのライフタスクを持ち寄ります。それらは、夫婦間の子育て方針の違い、仕事と家庭の両立に関する考え方の違い、性愛に対 する積極性の違い、親族付き合い、自分自身の生き方や内面への向き合い方の違いなど、多岐にわたることでしょう。


 守秘義務が徹底された安心・安全な場で、アドラー心理学の理論を土台にしながら、 それぞれのライフタスクに向き合う勇気を得られることでしょう。