2025年10月18日(土)15時〜17時
会場 |
5F 501 |
5F 502 |
タイトル | 「デジタル化社会における共同体感覚とは?」 |
対話が拓く私たちの明日 ~やってみよう!エピソディックカンファレンス~ |
講師 | 田中禎 | 長谷川理恵 |
ワークショップ①
「デジタル化社会における共同体感覚とは?」
私たちは、多くの人々が日常的にパソコンやスマホを使用し、生活を営んでいます。私たちの周囲を見渡してみても、テクノロジー、デジタル機器で満ちています。そういったデジタル化された社会で暮らしているということはどういうことなのか?社会では一体何が起きているのか?あるいは、デジタル化社会で暮らすということは何を意味しているのか?アドラー心理学を知る私たちはどのように考え、理解し、あるいはどのように感じ、どのように行動していくのか?
一方で、「共同体感覚」とは、アドラーが1918年に初めて用いた用語です。そして、最初から明確に定義して用いられた言葉ではなく、様々な文脈の中で、その本質を言い表そうとされてきた言葉でもあります。また、「共同体感覚」という言葉は、「限定された社会集団への順応と帰属を提唱する単に<今とここ>の概念に過ぎない」という誤解もされやすいために、アドラーは次のように述べました。「それは何らかの現在の共同体や社会、あるいは政治的もしくは宗教的形態の問題ではない。反対に、完全を求める最適の目標は、全人類の理想的社会を代表するような目標でなければならない。つまり進化の究極的成就である」と。そして、さらにアドラーは「それは特に、<永遠の相の下に>持つ共同体への関心、感情も意味する。それは、もし人類が完成という目標に到達したのであれば考えることができるような、永遠なものとして考えられなければならない共同体のための努力を意味する」と述べました。(「現代アドラー心理学 上巻」P102から)これらのアドラーの言葉を核にして、その後も様々なアドレリアン達が、いろんな表現、説明を用いて、「共同体感覚」について語り継いできました。
そこで、今回のワークでは、「デジタル化社会」と「共同体感覚」をキーワードにして、「デジタル化社会」が私たちの暮らしにどんな影響を及ぼしているのか、実際にこれまでに、何が起こっているのかをご紹介し、ワークを通して、私たち一人一人が、「正気を取り戻して、健康的に生きていく」ヒントの一助となるワークにしたいと思います。
田中禎:
精神科医 患者さんとの勉強会「アルコール勉強会」を開催。また、アドラー心理学をベースにした援助職の自助グループ的学習会「西宮援助について考える会」を主宰し、「事例検討会」を定期的に行っており、近隣地域にとどまらず全国各地から様々な支援者が集まって交流している。それ以外にも他者援助に関する様々な行政機関や企業での講演多数。
≪主な著作≫
「患者心理に配慮したうつ病治療の終結」(臨床精神薬理 Vol.22 2019)
「精神科診療における初診時の向こう側―治療者の関心― Beyond the first visit in clinical psychiatry-interest of therapists-」(Frontiers in Alcoholism Vol.6 No.2 2018)「アドラー心理学の基本前提(理論編)」(日本アルコール関連問題学会雑誌 第21巻第1号)「依存臨床におけるアドラー心理学(応用編)」(日本アルコール関連問題学会雑誌 第21巻第1号)等
ワークショップ②
対話が拓く私たちの明日
~やってみよう!エピソディックカンファレンス~
エピソディックカンファレンスはエピソードをふりかえって話し合うことで相手を勇気づける対応を導くプログラムです。他者とのかかわりを思い出して「もっと別の勇気づける方法があったんじゃないかな」と思うことがあるでしょう。それは新たな勇気づけの方法を発見するチャンスです。この方法は子育てや教育、福祉の現場、そして身近な人とのコミュニケーションなどで活用できます。話し合いは、アドラー心理学の学びを深めます。しかも、アドラー心理学を知らない方たちとも共有できます。このワークショップを多くの人に知っていただきたいと考えます。
長谷川理恵:
1988年にアドラー心理学を学び始め、1922年に地元の学習グループ「倉吉エンカレッジの会」の運営を開始し継続している。また、精神保健や子育て、他者支援等アドラー心理学を活用した講座の開発と提供を行っている。提供している主なプログラムは、エピソディックカンファレンスの他にケアミーティング、EOLECT(エオレクト 日本アドラー心理学会)、わたしがたり、講座をつくるひとのための講座などがある。
【資格・免許】
心理療法士・家族コンサルタント・EOLECTファシリテーター(日本アドラー心理学会)、保健師、精神保健福祉士